山上安見子(やまうえ やすみこ)
広島県庄原市生まれ。
青山学院大学文学部日本文学科、 広島大学法学部卒
「青春ぶんがく 古本交差点文学部」「古本交差点短歌倶楽部」所属
ほかに能楽喜多流、茶道表千家を稽古中、リトル・ガリヴァー社「ガリヴァー川柳」選考委員、メルマガでの「鞆の浦 美術館だより」を連載中。


山上安見子さんという女性は、多彩な才能をお持ちですが、一番興味のある分野はどこですか。
今、一番興味のあるのは日本の伝統芸術です。能楽や茶道、華道をお稽古させてもらっています。一生をかけて稽古を続け、いつかはその精髄に触れることができたら良いなと願っています。
言語にも興味があります。英語、スペイン語、フランス語を勉強することでその言語の持つ文化や芸術を学ぶことができます。でもどれもまだ不完全なので、こちらも時間をかけて勉強していきたいと思っています。


今回の小説を書くきっかけは、小説集「赫い月」本編「あとがき」に詳しく載っていますが、山上さんにとって、小説の魅力とはどんなものでしょうか。
今私が生きていること、考えていること、感知したことなどがとけ込んで作品となります。小説を書くようになって、いつも五感を研ぎ澄ませ、周囲を観察するようになりました。私が書く小説が読者の方々の胸に深く届くといいなと思いながら書きました。


好きな作家の本とか、昔愛読した作家とか、文学的洗練はどんな機会だったのでしょう。
最近、読まれた作品で感動された作品は。
好きな作家は野上弥生子です。「秀吉と利休」を何度も愛読しています。円地文子も好きで昔大学生の頃、学習院大学であった「源氏物語学会」に潜り込み、円地先生の御講義を拝聴したことがあります。凛としたお姿とお声が忘れられません。
最近ではラテンアメリカ文学に衝撃をうけました。どちらもノーベル賞作家のガルシア・マルケス、マリオ・バルガス・リョサなどを読んでいます。いつかは原語で読んでみたいものです。


最近の活動も活発ですね。その中にあって、弾丸でパリに飛び立った。あの旅の感想は。とても行動的な印象です。
あの、テロ事件のあとの二月のパリを自分の目で見たかったのです。メルマガに連載させてもらっている「鞆の浦 美術館だより」に書いたように、西欧と東洋との深い断裂を垣間みました。機会があればイスラム圏の国にも行って見たいものです。


今回の小説集は、連作集で、最後の「要害桜とごんぎつね」は童話です。
それぞれに、書くだけの理由はあったようです。
そこで、これから、山上さんが「物書き」として手がけたいテーマや目標はいかがでしょうか。
今の私が抱えている問題や、考えていること、発見、私なりに得た結論、などを等身大の自分の言葉で、背伸びをしないで書いていきたいです。また私は好奇心旺盛な方なので、あちこちに首を突っ込みます。それについての感想等も織り込みたいです。


最後に、初の小説集の刊行を前に、最初に読んでいただきたい方は。
山上安見子にとっての、読者のイメージはどういうものでしょう。
幅広く読者の支持を得るという予想もあるし。特定世代に読まれたいという希望もあるかもしれませんが。
もちろん幅広い世代に読んで頂きたいのですが、特に私と同年代、あるいはすこし上の世代に読んで頂きたいです。私を含め、還暦をすぎリタイアしたあとの世代の夫婦は新婚以来数十年ぶりに否応無く二人で向き合うこととなります。そこに起こる悲喜こもごも、見失ったままの自分探し、老親の介護など、問題はつきませんが、それらを乗り越えて赫赫と輝く存在でありたいと願っています。