泉忠司(いずみただし)
1972年香川県生まれ。
青山学院大学、日本大学、国士舘大学の講師(英語・英文学)、作家、俳優、プロデューサーなど。
書籍・コミックなどシリーズ累計100万部を超える『クロスロード〜あの日の約束〜』(ゴマブックス)、アミューズ30周年オーディションとのタイアップによる『THE☆オーディション』(徳間書店)、シリーズ30万部を超えてロングセラーを続ける『歌って覚える英文法完全制覇』(青春出版社)など、多岐に渡る著書は30冊を超える。
ジャンルにとらわれない斬新な企画を次々とプロデュースすることから、「メディアミックス時代の寵児」と呼ばれる。
ハッスルとのコラボレーションによる『ラブ&ハッスル』は超満員札止めとなり、映像・ミュージカル・プロレスなどを融合した新型エンターテインメントとして、マスコミ等でも大きな話題に。本書はその原作小説である。


最初に「ラブ&ハッスル」は、ケータイサイトで公開された作品とお聞きしましたが、ここでの反響はいかがでしたか。
ケータイ小説の読者は10代〜20代の女性が多いため、プロレスを舞台にしたストーリーが受け入れられるのか手探りでのスタートでしたが、本当にたくさんの方に読んでいただけて嬉しかったです。「早く続きを!」という皆様の声に引っ張っていただく形で、どんどん書き進めることができました。


書籍化にともなっての著者のこだわりのようなものはありましたか。
プロレスの魅力やハッスルの世界観を読者の皆様に伝えることにはこだわりました。同時に、読んでくださった方が、夢や目標に向かって一歩踏み出す勇気が沸いてくるような作品にできれば…という想いは強かったです。この小説を読んで、仕事にも勉強にも恋愛にもハッスルしてもらえたら嬉しいですね。


作品は、女子プロレスラーのラブロマンス、ラブバトルという展開ですが、選手たちの恋愛観等、普通の女の子と違いはあるのでしょうか。
変わらないと思いますよ。リングを降りるとみんな普通の女の子ですから。どんなに強くなっても、好きな人と会えないと切ないでしょうし、失恋すると辛いでしょう。かつて女子プロレスの世界には三禁(酒、煙草、男を禁止)がありましたが、今ではそんなこともないですしね。


これまで、「クロスロード」など、ラブストーリーを手がけてこられ、多くのファンが読まれています。著者としてなにか、恋愛ものにこだわりのようなものがあるのですか。
特に恋愛ものにこだわりがあるわけではないです。伝えたいメッセージが先にあって、それを伝えるのに恋愛ものがいいと思えば恋愛ものにしますし、青春小説がいいと思えばそうします。もっとも、ケータイで連載する場合は、恋愛ものを期待している読者が圧倒的に多いので、それに応えようという気持ちはありますよね。


これから泉さんが手がけてみたい小説というのはどんなものでしょうか。やはり、エンタティンメントなものを意識されていますか。
書きたいと思ったときに、書きたいものを書くというスタンスですので、常にニュートラルな気持ちでいるようにしています。時代の変化があまりにも速いですから、長期的な展望は抱きつつも、短期的なプランはほとんど考えないですね。自分の気持ちとタイミングに委ねています。それでも、家族もの、歴史ものはいつか書きたいです。


多彩な肩書きをもつ泉さんは大学での講師のかたわら、演出やプロデュースを手がけ、マルチな才能を発揮されている。この中で、「小説家」としての位置づけはどうなるのでしょうか。
そもそも僕自身の中に「マルチ」という考え方がなくて…。人間のあらゆる活動はすべてひとつにつながっていると思うのです。大学教員の仕事も、作家の仕事も、俳優の仕事も、僕の中では同じ一つの活動です。表現者として何かを表現する際、大学の授業で話すのが効果的だと思えばそうするし、本にすればいいと思えば本を書くし、舞台に上げたほうがよければ舞台を作るし、リング上で闘えばいいと思えばそうします。「ボーダレス」な活動の一環に「小説を書く」という行為も含まれているだけです。


その中で『ラブ&ハッスル』の位置づけは?
『ラブ&ハッスル』は「ケータイ小説」としてスタートし、それを「ミュージカル」×「映像」×「プロレス」という過去に類を見ない方法で舞台化しました。それを「ブロードバンドテレビ」で放送。さらにはそれを「書籍」として届ける。これだけでも、6つの表現方法をボーダレスに融合しています。『ラブ&ハッスル』は新しい表現方法の提案でもあるのです。その根幹になるとも言える書籍版『ラブ&ハッスル』をたくさんの方に読んでいただければ嬉しいですね。