━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガリヴァーの森      第10号 (2009/3/19)                   総合出版 リトル・ガリヴァー社        http://www.l-gulliver.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇Contents◇◆================================================== ●社長・富樫庸よりご挨拶 ●市源小次郎の岡目八目 ●木村司『ことばの歳時記』 ●Web連載 更新のお知らせ ●駆け込み寺 (10) ●今週のおすすめ 新刊案内 ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 社長・富樫庸よりご挨拶 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ こんにちは、社長の富樫です。 なれないことはやるものではない。わけても超早起きは。気になっていた WBCの決戦見たさに無理をし、その日一日、ぼーっとしてしまった。時差 はいかんともしがたし。世界中、メール通信が可能になるのはいいが、つ いついこの時差を忘れて、日本時間を基準にしてしまう。ふとパリとは時 差7時間だったなんて、思い出す。 活字の世界は、体力勝負と思われていないかもしれませんが、知力と体力 はバランスよく整えておかないと、良いフレーズは浮かびません。これは 真理です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 市源小次郎の岡目八目 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 麻生さんの目玉政策、景気対策の定額給付金は、地方行政の手間がかかり すぎるという理由で、超金持ちにも支給される方向のようだが、納税が背 番号で管理されているアメリカでは、一昨年に実施された不景気対策のた めの税金の払戻(私の場合は年金の源泉税)は、私のような貧乏人にしか 送ってこなかったし、国民一人一人の背番号がはっきりしているので、払 い込んだ年金がどこにいったか不明などということが起きることはない。 海外に住んでみると日本の制度が、いかに不合理で、問題が多く、そして、 無駄が多いかが分かる。 その筆頭が、背番号制のないことによって起きている社会問題だ。 アメリカでは、SSナンバー(ソシアル・セキュリティー・ナンバー)に よって、納税を始め、何から何まで管理されているから、SSナンバーな しでは、銀行口座は開けない。 オーストラリアでは、TFN(タックス・ファイル・ナンバー)なしでは 銀行口座は開けない。 従って、この二つの国では、利子税の未払いや振り込め詐欺が起きること はない。 背番号で一元管理されている国では、銀行からの受け取り利子を税務申告 しないと、税務署から「ごまかしは許さない」という姿勢がありありと伺 える手紙が送られてくる。 十数年前、長年住んだアメリカを発つときに、残金が少ないので、銀行口 座をそのままにしていたら、翌年、IRS(税務署)から、約2ドルの受 け取り利子に対する非居住者源泉税(30%、従って約60セント)を支 払っていないという、私を極悪人扱いしたような厳しい文面の手紙が送ら れてきた。 オーストラリアでは、昨年、定期預金の金利を、うっかりミスで申告しな かったら課徴金を課せられそうになった。 一方、日本では、架空名義で貯金ができるので、税務署は、個人の受け取 り利子の実態を完全に把握するのは不可能だから、金持ちはそれを利用し て所得隠しをし、振り込め詐欺師はそれを徹底的に利用する。 振り込め詐欺防止のために銀行に警察官を張りつける以前に、身元が確認 できない銀行口座の金は、国民が山分けするというような法律改正をすべ きだ。そうすれば、詐欺防止だけではなく景気対策の給付金を節約するこ ともできる。 「プライバシーが保てない」などという被害妄想的理由で、背番号制に反 対しているエセ人権主義者には、金持ちの所得隠しを奨励し、年金の行方 不明事件を引き起こし、振り込め詐欺を蔓延させた責任を取ってもらいた いものだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 木村司『ことばの歳時記』 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 季節の進み具合を知る手段のひとつとして、全国各地の気象台や測候所で は『生物季節観測』を行っています。その中で最も注目を集めるのが、 『桜(ソメイヨシノ)の開花発表』でしょう。桜は、開花だけではなく予 想の発表も行われており、皆さんもニュースなどで「今年の桜の開花は平 年より早めの予想」などという話題を耳にしたことがあるかと思います。 桜の花は、日本人にとって特別なものなのでしょうね。   桜の開花時期は梅に比べると遅い、と思っている方もおられるのでしょう か? それは西日本や東日本の話で、今年の開花日を見てみますと、沖縄 県の那覇市では桜(ヒカンザクラ)は1月2日に対し梅は1月28日と、 梅の方が遅くなっています。北海道の札幌市では、開花の平年日は桜も梅 も5月5日と、ほぼ同時に咲くようです。 南からスタートする梅や桜の開花前線は、途中で抜いたり抜かれたり、と きには休憩をしたりしながら、ほぼ同時に北でゴールするのですね。 今年はどちらが早くゴールするのか、少し楽しみにしています。 桜開花のメカニズムをご存知でしょうか? 簡単に説明しますと、 ●夏(花芽が形成され、休眠状態になる) ●冬(一定期間寒さにさらされると目覚める。これを『休眠打破』といい ます) ●春(気温の上昇とともに開花) となっています。 休眠打破は他の植物にもあり、例えば花粉症でお馴染みの『スギ』にもあ ります。なぜ今年は花粉の飛散量が多いのかと言えば、 @昨年の夏は暑くて日照が多く、花芽が多く形成がされたから A昨年の12月は平年より気温が低かったため、休眠打破が順調に行われ たから B今年は1月以降気温が高めの日が多く、花芽の成長が促されたから と言われています。 厳しい寒さを経験しているからこそ、植物は逞しく生長し、美しい花を咲 かせるのですね。私たちの人生もそうあれば良いのですけれども……。 著者プロフィール 1975年、神戸に生まれる。 高校卒業後は、フリーター、競馬場勤務などを経て、2005年に気象予報士 試験に合格。 現在は、気象会社に勤める傍らで執筆活動を行う。 ▼著者インタビューはこちら  http://www.l-gulliver.com/interview/14kimura.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Web連載 更新のお知らせ ◇◆ ------------------------------------------------------------------ ☆ 人生が豊かになる、リトル・ガリヴァー社のWeb連載 ☆ http://www.l-gulliver.com/webseries/index.html 好評連載中! 3月20日、第7回目の更新予定。 ●支刈誠也『海外のすすめ 笑えるほどおかしな日本人』 日本は今や高齢化社会のまっただ中。そんな世代の人たちが、永の住処と して海外に求めるニーズも少なくない。 かくいう本書の著者は、在オーストラリア。長く海外生活の体験をへて、 そのノウハウを学んだ。本書ではその海外を生き抜くノウハウを初めて公 開いただいたもの。 ぜひ、参考にされたい。 ・著者プロフィール 昭和19年、新潟県長岡市生まれ。 東京大学農学部農芸化学科卒業後、鐘淵化学に就職。 在、ゴールドコースト。 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/03shikari.html ------------------------------------------------------------------ ●米村貴裕『ズバリ解決!妖獣結社』 人畜がまだ「科学」を知らない混沌とした時代、この地にべらぼうな会社 が登場していた! 相思相愛の妖獣(ビースト)たちが青年の元に大・集・結。 愛と請求書を武器に依頼へ応え、魔女や帝王のたくらみをぶっ飛ばす! 天上天下を揺るがし、走る、戦う、そして一途な想いに胸がキュン。 そう、愛のかたちにキマリはないのだから――。 ・著者プロフィール 1974年横浜生まれ。近畿大学大学院卒。 2001年在学中にイナズマを起業。 現在、有限会社イナズマ取締役・大学非常勤講師兼務。 ペーパークラフトやIT関連事業をこなしつつ、執筆活動を行う。 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/04yonemura.html ------------------------------------------------------------------ ●喜多圭介『図書館の白い猫』 ある日、主人公は図書館に住み着く白い猫と遭遇する。ここから人間と猫 の、愉快な交流が始まった。猫語なることばを理解する主人公の、軽妙な 語り口と、さりげない、こころ温まるユーモア小説。最終回。 ・著者プロフィール 1942年愛媛県生まれ 慶應義塾文学部(通信教育課程)卒 学習塾経営 大阪文学学校卒後芥川賞候補作家鄭承博氏と同人誌活動 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/05kita.html ------------------------------------------------------------------ ●山田将一『現代詩』 今年から連載させて頂くボクの現代詩は、大きな意味で「愛」をテーマに した詩を綴っていく予定です。 毎月、5篇(このぐらいが読みやすく適度だと思います)の詩を季節や時 節に併せて、いまに感じたことを書いていきたい。 ・著者プロフィール 1963年 大阪に生まれる。 美術家。美術デザイナー。 詩人であり、楽曲としての作詞も手がける。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 駆け込み寺 (10) ◇◆ ------------------------------------------------------------------ とある交通事故を目撃した。加害者でも被害者でもないから、ただの目撃 者。さて、こんなばあいの目撃者心理はいかがなものであろうか。 嫌な光景を見たな、被害者が可哀想という感情が湧くのは当然として、次 の「引き金」である。現実的体験なるものは、予想外のこともある。すぐ に忘れてしまいたいというのも心理。ただ、物書きの端くれと自認すれば、 ここはチャンスである。なにがチャンスかといえば、それを「活用」する チャンスだ。 となると、もういわずもがなとなるだろうが、目撃情報の正確さ、その観 察力である。事件(ひき逃げとか)となれば、車の車種やナンバーを刑事に あれこれ聞かれるとか、通報情報の基本となるものの記憶である。そうい うものが頭にインプットされれば、次はデスクワークでその材料をひけら かして、「なにかを書ける」状況が生まれる。 他人の不幸に乗じてという見方もあるが、いまのはたとえばの話で、世の 中にはこうした「予想外のこと」はけっこう満ちあふれている。要はそれ を目撃するあなた自身のスタンス。 なにも気付かないか、すぐ忘れるか、それとも記憶として刻みつけるか。 この差が、ネタの豊富さにも通じる。日頃から周囲に目配せし、観察する。 注意を喚起する。それぐらいの努力を惜しんではならない。 ▼関連サイト「四天王寺小説道場」 http://blogs.yahoo.co.jp/tontoniboy ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 今週のおすすめ 新刊案内 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ ●浜野伸二郎著『愛と死の狭間で』 四六判・296P・ハードカバー・売価1800円・4月15日発売 著者の浜野氏は、生後間もなく、「先天性脳性小児麻痺」と診断され、余 命数年と宣告された。彼は両親から授かったいのちを天命と思い、さまざ まの障害を乗り越えて、現在57才。いわば奇跡の長生きとなった。20代前 半、健常者の女性と巡り会い、周囲の反対をおして結婚。それから福祉、 文学を旗印に活動された。その著書は10冊以上。 その浜野氏が初めて、わが半生記を小説仕立てで書きまとめた。執筆その ものが苦難のハードル。しかし、彼は自らの外聞やてらいを捨てて、告白 した。障害者の愛、結婚生活、社会からの暴力、差別を告白した。 予約受付中。 ▼新刊情報はこちら http://www.l-gulliver.com/book/newbooks.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 編集後記 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 編集長の内藤善弘です。 グアムへ行ってきましたが、旅行代金が異常に安く済んだのに驚きました。 特にホテル代は、メンバー料金で予約する場合に比べて、半額以下でした。 現地の旅行会社を経由して申し込んだということも理由としてあるのかも しれませんが、朝食のときに人が少なかったことから考えると、不景気の 影響なのかもしれません。 街へ出ても、普段よりも活気がないように感じました。 各国でいろいろな政策が打ち出されていますが、早く効果が現れるように、 強く願っています。 ▼ご意見、ご感想などはこちらのメールアドレスまでお願いします。 gmm@l-gulliver.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼配信先変更、配信停止の手続きは、こちらからお願いします。 http://www.l-gulliver.com/ ※本メールマガジンに掲載された情報を許可なく転載することを禁じます。 ※本メールマガジンにより生じる損害などについて、弊社は一切責任を負 いません。 ------------------------------------------------------------------ ※本メールマガジンは、等幅フォントで作成しています。罫線や枠内のデ ザインがずれて見える場合は、お使いのメールソフトのフォント設定を等 幅フォント(Windows:MSゴシック、Mac:Osaka等幅など)に設定してご 覧ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガリヴァーの森 発行者 株式会社リトル・ガリヴァー社 代表取締役 富樫庸 編集者 株式会社リトル・ガリヴァー社 企画室長 内藤善弘 公式サイト http://www.l-gulliver.com/ メール gmm@l-gulliver.com 登録、解除はこちら http://www.l-gulliver.com/ (c)2009 Little Gulliver Sya All rights reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━