━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガリヴァーの森      第9号 (2009/3/12)                   総合出版 リトル・ガリヴァー社        http://www.l-gulliver.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇Contents◇◆================================================== ●社長・富樫庸よりご挨拶 ●市源小次郎の岡目八目 ●木村司『ことばの歳時記』 ●Web連載 更新のお知らせ ●駆け込み寺 (9) ●今週のおすすめ 新刊案内 ●編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 社長・富樫庸よりご挨拶 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ こんにちは、社長の富樫です。 早くも10号手前まで来た。週一ペースというのは意外と大変で、終わった と思ったら、もう次の手配が待っている。 メルマガにとって大事なことは、ニュースの鮮度だろう。同じものを毎回 掲載していれば、誰も読んではくれないし、かといって生身のニュースは 間違いの元。少しは練ったものを載せないと、迫力もない。けっこう大変 なのだと実感してきた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 市源小次郎の岡目八目 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 春一番の季節になったと言いたいが、春一番とは立春後に始めて吹く南方 向からの風らしいから、一寸遅いのだろう。 先日、ゴルフをしながら、「日本は、もう春だな」などと思い、アメリカ では、「春一番」のことをシュヌック(インディアン語。キング・サーモ ンもこう呼ぶ)と呼んだなどということを思いだし、「♪ もうすぐ春で すねぇ」とキャンディーズの「春一番」を歌い始めたのはいいがが、次の 歌詞がでてこない。 とっさに「♪ ちょっと浮気をしませんか」と口ずさんだら、昔、キャン ディーズにインタヴューをしたことがあるゴルフ・バディー(友達)に、 「あの娘たちの歌を猥歌に替えてはいけません」とたしなめられた。 たしかに、替え歌には猥歌が多いから、あの清純な三人娘の歌の歌詞をと っさとはいえ、「浮気」に替えるのは良いことではなさそうだ。 しかし、昔懐かしい唱歌、「庭の千草」はアイルランド民謡の替え歌だし、 「蝶々」はスペイン民謡、「ダニー・ボーイ」はアイルランド民謡「ロン ドンデリーの歌」の替え歌だ。 「むすんでひらいて」の原曲は、なんと、ジャン・ジャック・ルソーの作 曲だし、「リパブリック賛歌」は、「おたまじゃくしは蛙の子」や「権兵 衛さんの赤ちゃん」に化けている。 「たんたんたぬき」などは、畏れ多くも「聖歌787番」が元歌だ。 良く考えれば、まだまだある。 「蛍の光」はスコットランド民謡「Auld Lang Syne」だし、「情熱の花」 「幸せになろう」は「エリーゼのために」だ。「アルプス一万尺」は「ヤ ンキードゥドゥルドゥー」。「雪山賛歌」は「愛しのクレメンタイン」。 「家路」はドボルザークの「新世界より」だ。 言ってみれば、著作権切れ、あるいは、もともと著作権が確立されていな い歌は、替え歌の宝庫だということだ。 本の場合はどうだろう。著作権が切れた本のプロットを100%使ってス トーリーにするのは認められているのだろうか。 面白そうだ。一度考えてみよう。 ところで、あの三人が「もうすぐ春だから、ちょっとしましょう」と歌っ ていたのは、何でしたっけ? たしか「重いコートを脱いで」という歌詞 もあったはず。 「春の気配を感じ、コートを脱いでするものは何?」 忘却力がついた私には、答えが浮かんでこない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 木村司『ことばの歳時記』 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 先週は関東地方の平野部で積雪した所がありました。首都圏では、冬によ く見られる西高東低の気圧配置のときに雪の降ることは少なく、むしろ晴 れることが多いです。一方、3月から4月上旬にかけて、もう雪はないだ ろうという季節になってから雪の降ることがあります。 有名な桜田門外の変(新暦に直すと3月24日)の日は雪が積もっていた ようですし、そのほかでも、春の大雪で首都圏が大混乱に陥ったという年 もあります。 関東地方では、いわゆる『南岸低気圧』のときに雪の降ることが多く、低 気圧が八丈島より北を通ったときは雨、八丈島付近か少し南を通ったとき には雪の降ることが多いと言われています。 すっかり春めいてきたからといって油断せずに、気象情報などでこまめに 天気予報をチェックしてくださいね。 大雪や大雨のように、時には人命を奪うことのある大災害と違い、静かな 災害と呼ばれるものもあります。その代表的なものが『遅霜』です。 皆さんは、霜注意報というものを聞いたことがあると思います。これは、 早霜や遅霜によって農作物に被害が出ると予想されたときに発表されます。 霜は、冬場によく見られるだけに大したことはないと考えている人もいる ようですが、遅霜によって、額にして100億円近い被害の出たこともあ りました。 農作物だけでなく、植木やガーデニング植物にとっても霜は大敵でしょう。 霜のおりる目安となる気温は3度です。霜注意報が出ていたり、朝の予想 最低気温が3度以下になっていたりするときには、霜対策を忘れずに! このところ、日差しが出るとポカポカ感じられることが多くなり、何とな くノンビリとした気分になることはありませんか? そんな春の長閑な心 持ちのことを『春意(しゅんい)』と呼んだりします。また、あまりの気 持ち良さに眠くなる『春困』を感じる方も多いでしょう。 かく言う私もその一人で、朝起きてもボーっとしたまま仕事に向かうこと もあります。そんなとき、沈丁花の甘い香りにハッとなることがよくあり ます。 春の草花の香りや鳥たちの鳴き声は、何よりの眠気覚ましなのでしょうね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Web連載 更新のお知らせ ◇◆ ------------------------------------------------------------------ ☆ 人生が豊かになる、リトル・ガリヴァー社のWeb連載 ☆ http://www.l-gulliver.com/webseries/index.html 好評連載中! 3月20日、第7回目の更新予定。 ●支刈誠也『海外のすすめ 笑えるほどおかしな日本人』 日本は今や高齢化社会のまっただ中。そんな世代の人たちが、永の住処と して海外に求めるニーズも少なくない。 かくいう本書の著者は、在オーストラリア。長く海外生活の体験をへて、 そのノウハウを学んだ。本書ではその海外を生き抜くノウハウを初めて公 開いただいたもの。 ぜひ、参考にされたい。 ・著者プロフィール 昭和19年、新潟県長岡市生まれ。 東京大学農学部農芸化学科卒業後、鐘淵化学に就職。 在、ゴールドコースト。 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/03shikari.html ------------------------------------------------------------------ ●米村貴裕『ズバリ解決!妖獣結社』 人畜がまだ「科学」を知らない混沌とした時代、この地にべらぼうな会社 が登場していた! 相思相愛の妖獣(ビースト)たちが青年の元に大・集・結。 愛と請求書を武器に依頼へ応え、魔女や帝王のたくらみをぶっ飛ばす! 天上天下を揺るがし、走る、戦う、そして一途な想いに胸がキュン。 そう、愛のかたちにキマリはないのだから――。 ・著者プロフィール 1974年横浜生まれ。近畿大学大学院卒。 2001年在学中にイナズマを起業。 現在、有限会社イナズマ取締役・大学非常勤講師兼務。 ペーパークラフトやIT関連事業をこなしつつ、執筆活動を行う。 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/04yonemura.html ------------------------------------------------------------------ ●喜多圭介『図書館の白い猫』 ある日、主人公は図書館に住み着く白い猫と遭遇する。ここから人間と猫 の、愉快な交流が始まった。猫語なることばを理解する主人公の、軽妙な 語り口と、さりげない、こころ温まるユーモア小説。 ・著者プロフィール 1942年愛媛県生まれ 慶應義塾文学部(通信教育課程)卒 学習塾経営 大阪文学学校卒後芥川賞候補作家鄭承博氏と同人誌活動 ▼インタビューページはこちら http://www.l-gulliver.com/interview/05kita.html ------------------------------------------------------------------ ●山田将一『現代詩』 今年から連載させて頂くボクの現代詩は、大きな意味で「愛」をテーマに した詩を綴っていく予定です。 毎月、5篇(このぐらいが読みやすく適度だと思います)の詩を季節や時 節に併せて、いまに感じたことを書いていきたい。 ・著者プロフィール 1963年 大阪に生まれる。 美術家。美術デザイナー。 詩人であり、楽曲としての作詞も手がける。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 駆け込み寺 (9) ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 今回のテーマは「自分をだます」と書くと誤解されるので、「自分を乗せ る」仕掛け。文章というものは生き物で、筆者のノリの良さ、悪さをよく 反映する。ノリが良いと、読者も引き込まれて読むという仕掛け。 で、この「自分を乗せる」わざの話。乗るためには集中あるのみ。という が、いつもこのテンションを維持するのは大変だ。わたしならば、さしず め煙草を無意識で吸う行為となろうが、吸わない人にはそれがない。 たとえば、PCの音楽を聴きながらという人もいるが、これも個人差があっ て、「ながら」が嫌いという人もいる。ほかにどんな方法があるのだろう。 それは「締め切り」である。乗るも乗らないもなく、締め切りに間に合わ せるという意識が、テンションを強引に維持できる。 だから、この締め切りという大義名分のために、あるのは書く「場所」を 選択することだ。ある作家は、通い慣れた喫茶店の、指定場所で書くとし ている。ホテルに缶詰という手もあるが、これはもう少し売れてからの話 で、いまはそういう贅沢はいえない。 だから、一度いろいろ試してみることだ。どんな場所、どんな環境での執 筆が自分を一番乗せてくれるか。見つかったなら、それを当分愛用すれば 良いだろう。外で少し汗を掻いてリフレッシュしてから、書くという人も いる。作家がよく旅行するのはなにも取材という目的のためだけでなく、 気分転換のためだ。転換し、自分を「臨戦態勢」にもっていく。これもプ ロとしての書く仕業のひとつだ。 ▼関連サイト「四天王寺小説道場」 http://blogs.yahoo.co.jp/tontoniboy ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 今週のおすすめ 新刊案内 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ ●佐藤 洋著『南極へ 第60回ピースボート地球一周の船旅』 四六判・248P・ハードカバー・売価1800円・3月11日発売 2008年1月、ピースボートの活動の一環として毎年敢行されている地球一 周の船旅に、佐藤氏が参加。この感動の模様を日記風に書きまとめたもの。 108日間も及ぶ旅の中で、南極や南米のパタゴニア諸島の地球汚染を始め とした環境破壊の現実を目の当たりにした。 世界の中には、まだまだ見知らぬ世界に溢れることをこのレポートは教え ている。 予約受付中。 ▼新刊情報はこちら http://www.l-gulliver.com/book/newbooks.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 編集後記 ◇◆ ------------------------------------------------------------------ 編集長の内藤善弘です。 私には、何度も読みたくなる小説がいくつかあります。 何度も読んでいますから、展開が頭に入っています。 次に主人公が口にするセリフまで、わかったりします。 それでも、ふとした拍子に、また手に取っているんです。 本というのは、何度でも読み返すことができますから、読むたびに新しい ものを購入するわけではありません。 ですから、何度も読んでもらえたからといって、それで出版社や作家が潤 うことはないですね。 でも、やはり、そのようにして長く愛される本を出版できるように、精進 したいと思います。 ▼ご意見、ご感想などはこちらのメールアドレスまでお願いします。 gmm@l-gulliver.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼配信先変更、配信停止の手続きは、こちらからお願いします。 http://www.l-gulliver.com/ ※本メールマガジンに掲載された情報を許可なく転載することを禁じます。 ※本メールマガジンにより生じる損害などについて、弊社は一切責任を負 いません。 ------------------------------------------------------------------ ※本メールマガジンは、等幅フォントで作成しています。罫線や枠内のデ ザインがずれて見える場合は、お使いのメールソフトのフォント設定を等 幅フォント(Windows:MSゴシック、Mac:Osaka等幅など)に設定してご 覧ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガリヴァーの森 発行者 株式会社リトル・ガリヴァー社 代表取締役 富樫庸 編集者 株式会社リトル・ガリヴァー社 企画室長 内藤善弘 公式サイト http://www.l-gulliver.com/ メール gmm@l-gulliver.com 登録、解除はこちら http://www.l-gulliver.com/ (c)2009 Little Gulliver Sya All rights reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━