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ISBN |
978-4-903970 15-8 C0093 |
あらすじ |
伊豆の弓ヶ浜で彫刻家として母娘の暮らしを支えてきた瑤子の店にも本宮という、京都の印刷会社の社長が、娘の姿と観音像を彫ってくれと頼みにきた。瑤子は本宮を観察するほどに彼に、越前岬から般若の能面を被って投身自殺した近藤の面影を見た。かつて瑤子は一時期能面師近藤と同棲していた。
本宮のまったく近藤と近似した重なりに瑤子は身震いするほどの怖気を覚えたが、同時に本宮の魅力に心身囚われていく。
しかし、その本宮が隠岐の摩天崖から投身自殺することを、娘の真美から告げられ……。
歌人馬場あき子の一首に刺激され、能の原理、シテの(現実)と(幻想)を交錯させて描く、作者渾身の男と女の物語。 |

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